2021年6月アップデートしました。
- 2021.06.13
- お知らせ
知人から先月の記事に対して「名波は入らないのか?」という意見を頂いた。
確かに、我が国が誇る希代のボールアーティストは能力的には文句なしだ。ポジション(位置)的に、いわゆるアンカーやボランチなどと呼ばれる守備的MFをイメージしていたので、名波の名前が思い浮かばなかったが、センターMFという定義で括るならば”あり”かも知れない。しかし、そうなるとシャビ(エルナンデス)やイニエスタあたりも範囲に入ってくるのでカテゴライズが難しいところだ。知人曰く「小野の攻撃的MF+後ろが名波ってどう?」は、思い込みのない自由で素晴らしい発想、切り口だと思う。
EURO2020に1996年大会以来の出場となるスコットランド。多くはイングランド同様、キック&ラッシュの英国スタイルと伝えられることが多いが、岡野さんの解説や過去の映像を見れば、それが事実に基づかない思い込み評価だということがハッキリと分かる。60年代半ばから70年代にかけてはビリー・ブレムナー、70年代後半からはグレアム・スーネス、80年代半ばからはポール・マックステイ、90年代はガリー・マカリスターと歴史的にこのポジションの名手を輩出してきた。テクニック、ファイトともに優れゲームを構築できることから、ロングボール中心のイングランド代表とは一線を画してきた。今年はマンチェスター・ユナイテッドのスコット・マクトミネイが務めるのか、偉大なる先人達同様、イングランドとの違いを見せてくれることを期待している。
EURO2020が開幕した。
分散開催が決定したときには懸念しかなかったが、このような(コロナ)状況を想定していたかのような先見ぶりには脱帽するしかない。この5年ぶりとなるビッグイベントを前に、久しく足を運ばなかった書店へ行き並んだ展望・観戦ガイドをまとめて購入した。文章も流し読みはするが、最近は主に選手の情報、スケジュール確認がメインとなっている。年年、興味を引く記事や文章が少なくなったことが原因だが、Numberは未だ読み応えがある。欧州選手権の生い立ちを知る意味では、EURO2004のサッカーマガジン展望号に掲載された、フランスフットボール元編集長・ジャック・ティベールの「欧州選手権クロニクル」は秀逸で永久保存版だと思う。各誌、過去の名勝負などをピックアップしているが、古いものでも1988年の決勝あたりで、リアルタイムで見ていた世代にとってはどうもピンとこない。個人的には欧州選手権の価値を高めた1972年の西ドイツの準決勝以降の試合や、準決勝からの試合がすべて延長戦となった1976年ユーゴスラビア大会の全四試合は名勝負と呼ぶにふさわしいと思う。1980年以降の集中大会に限定したとしても、1984年の準決勝二試合やGS勝ち抜きをかけたベルギー対デンマーク戦も名勝負だった。勿論、1988年以降も名勝負と呼べる試合は数多くある。雑誌を含む書籍もそうだが、名勝負のアーカイブ映像をピックアップする際、思い込みのない、映像や史実に基づいたオリジナリティのあるチョイスを是非ともお願いしたい。
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